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第1章
「美羽ちゃんは、可愛いね〜」
「本当に。上の大吾くんもイケメンだし。兄妹で美男美女ですって」
褒められる、兄と妹。
「自慢の子供たちです」
嬉しそうにする、親。
「あ、そういえば美羽ちゃんって双子でしたよね?お姉様の方は?」
「あの子は、全然なの。美羽みたいに可愛くないの」
私の事を、悪く言う親。
♪♪〜〜
私はそこで目が覚めた。
また夢を見たな。
私は、天原 美桜。
高校2年生。
おへそ位まである黒髪ロング。
私の親は、天原財閥の社長。
天原財閥とは、全国でも有名な財閥。
「ママ、パパ。美羽今度のパーティーの時、新しいドレス着たいな〜」
「そうだな。今日見に行くか?」
「美羽は可愛いから、何着ても似合うな」
「ホント。自慢の娘よ」
朝食を食べ酔うと1階におりると、リビングから聞こえてくる声。
周りから見ると、仲のいい親子。
私がリビングに入っても、誰も見ようとも話そうともしてこない。
そう、これが普通なのだ。
物心ついたときには、そうだった。
可愛いがられるのは、兄の大吾20歳と、双子の妹の美羽。
私の存在は無視。
小さい頃は、家政婦さんが私のお世話をしてくれてた。
食事をするときも、私は別室でいつも一人だった。
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