続編

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か、可愛い……!! 黒崎さんのその様子に、この緊迫した状況下にもかかわらず、思わず悶絶した。 ふと横を見ると、目をぱちくりとさせた翔哉と目が合う。 「……」 翔哉も同じこと、思ったよね? 同性でも、この可愛さは共通だよね? うんうん、と、お互い頷く。 だけど言葉にすると、目の前のアイドル風イケメンは激怒し暴れるだろうから、黙っておく。 なんでこんなに可愛いんだ。 ガタイだけで見ると翔哉と同じくらいの背格好な上に、ひと回り近く歳上の男性だというのに。 「……なんか、気ィ削がれたな。瑠花、帰るか」 「うん、だね」 「はぁ?」 今度は黒崎さんが納得いかない様子だけれど、戦闘意欲を失った翔哉は、 「あーもう、藤崎好きにしろ」と。 私は私で、 「黒崎さん、また来ますから」と。 「なに、、アンタら」 また思い切り眉根を寄せた黒崎さんを置いて、笑いを堪えながら私達は店を出た。
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