3081人が本棚に入れています
本棚に追加
「……何しに来たんですか。」
1か月ぶり、しかもまだ2度目の来店だと言うのに、マオくんも茶々もレオンも、今日はリリーちゃんまで黒崎さんの側にゴロゴロ喉を鳴らしてやって来た。
ふるふると嫉妬心に震える私をよそに「実はね」と猫達を軽くあやしながら、彼は本題に入った。
「ボスのことなんだけどさ。
もう瑠花ちゃん、正式にボスの女になっちゃおうか」
「───は?」
思いきり眉をしかめる私を鼻で笑い、黒崎さんは続けた。
「もうさ、溺愛されてるからわかるでしょ。
瑠花ちゃん、特別なんだわ。
そろそろ覚悟決めようか」
「そんなの…困ります。
そろそろ飽きる頃なんじゃないんですか」
「飽きるどころかどっぷりハマられてんの、自分でわかってんだろ」
ちょっとイラっとしたように吐き捨てられる。
やっぱり黒崎さんはコワイ。
味方なのかそうじゃないのか、結局わからない。
優しい時と容赦ない時のギャップに抉られる。
体を強張らせて押し黙る私に、「ねぇ瑠花ちゃん」と、今度はにっこり微笑んで来た。
最初のコメントを投稿しよう!