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顔がかぁっと赤くなる。
「どうした?
なんかヘンな味したか?」
運転しながらも私の異変に気付いたようで、横目でチラリと見られた。
「っ、あの、ごめんなさい。
口、付けちゃったから。拭くから、」
慌ててバッグからウェットティッシュを取り出そうとすると、
「もしかして、間接キス気にしてる?」と、笑いながらストレートに聞かれてしまった。
「いつも、あれだけのキスしといて今更?
瑠花の可愛さは天才的だな」
そう言いながらカップを私から取り上げ、そのまま口を付けてコーヒーを飲んだ。
「ん…さっきより美味い」
ニヤ、と一瞬視線を向けられ、どきっとする。
「心臓に悪い可愛いこと、あんまりするなよ。
運転に集中出来なくなる」
右手でハンドルを持ち、左手を私の方に伸ばし、優しく髪を撫でられた。
私の方が、心臓に悪いことされてます…!
それからしばらく、まともな会話が出来ずに挙動不審が続いてしまった。
そんな中、車は街中を抜け、郊外に向けて走っているようだった。
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