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「あの、私猫カフェで働いているので、、
ふざけてそんな風に言ったんだと思います。
こちらこそ、よろしくお願いします。
お料理、楽しみです」
ぺこりと敬斗くんにお辞儀をする。
敬斗くんはまた、ふふ、と笑った。
「さぁ、こちらの席へどうぞ。
ボス、メニューはシェフのお任せプレートでよろしいでしょうか?」
「ああ、よろしく頼む」
翔哉と、陽当たりの良いその窓際の席についた。
窓が開いていて、心地良い空気が流れ込んでくる。
お料理を待っている間に、翔哉が自分の会社と仕事のことを説明してくれた。
「藤崎絡みでだいたい予想がついていると思うけれど、所謂ヤクザのフロント企業みたいなもん。
俺は次男で、長男が組を継ぐことになってる。
俺が任されているこの会社は、今増えている耕作放棄土地減少と6次産業化活性のために、ここみたいな農家レストランをいくつか支援したり、契約した農家の農作物を都内のレストランなんかに卸す仲介みたいなことを主にやっているんだ。
やってることはクリーンでも、売上の一部が組に流れているから、真っ白とは言えないな。
ただ、組も今の代になってから、真っ当な企業にしようと上層部が改革しているところだ」
なるほど。
だから、そっち系の匂いを漂わせつつクリーンな雰囲気だったわけだ。
「借金の件は、悪い。俺はノータッチで。
藤崎がうちの会社に派遣されてきたのが2年前だから、恐らくお父さんはその前から組の方で世話になってたんだろうな」
ふむふむ、色んなことが紐解かれていく。
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