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青みがかった乳白色のお湯に、ゆっくりと身を沈める。
「はぁ、気持ちいい…」
とろりとした感触で、ぬるめのその温度は、いつまででも入っていられそうだ。
「───瑠花」
結局一緒に温泉に入った翔哉に後ろから抱きすくめられ、うなじに唇を落とされる。
「っぁ、」
思わず、小さく声を零した。
「"ちょっと"だけ、いろんなとこにキスしていい?」
私が言った「ちょっと」を立て前に、そんなことを聞いてくる。
なんだかいじらしくて、「うん、、ちょっとだよ?」と返した。
「瑠花…可愛い」
数えきれないくらい翔哉から言われている言葉だけれど、言われるたびに胸が疼いてしまう。
チュ、チュ、と、うなじや背中、耳の後ろ、肩。
言葉通りに、いろんなところへ優しく唇で触れられ、そのもどかしさに体がむず痒くなる。
はぁ、と、吐息が漏れ、頬が紅潮し。
翔哉は口角を上げそんな私を見据え、湯の中で私を正面に抱き寄せ、自分の太腿の上に座らせた。
「"ちょっと"だけ…」
そう言いながら瞼をゆっくりと閉じ、私の唇に軽く触れるだけのキスを、何度も甘く落とす。
そのうちに、後頭部に添えられた両手が私の長い髪を愛おしげに撫で、髪の間を指で梳き、絡めていく。
深く愛されていることを実感するひとつひとつの行為に、体が徐々に反応し始めていった。
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