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数ヶ月もしないうちに、私の住居は事故物件となり、挙げ句の果ては心霊スポットとなり、観光客ならぬ見物客や配信者で溢れかえってしまったのだ。
根も葉もない噂や、誇張された私の身の上話やらと、死んでからも故人のプライバシーに頭を抱える羽目になるとは、夢にも思わなかった。
派遣社員の孤独死。
淋しい男の怨念。
呪われたアパートメント。
全てが出鱈目で、私は別に孤独でもないし、誰かを呪ったり、恨んだりもしていない。
死んでしまったのは、運命なのだと受け入れている。
そもそもであるが、あの世へ行くか行かないかは、故人の自由である事実を私は訴えたい。
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