王子と女神の再愛白書

再会と悲劇

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大学を卒業してから……もうすぐ三年になる。

卒業時に内定をもらっていた企業には…直前で就職することが出来なくなり─…

登録した派遣会社から仕事を紹介してもらいながら契約の更新をしてもらえなければまた別の仕事へ─…っと。

先月派遣切りをされて職を失い、また一からスタートか…っと思っていたのだが。以前働いた会社から【秘書として正式に雇いたい】と連絡を受け、二つ返事でその誘いを受けた私。

そしてまさに今日がその初出勤日の日だった。

「愛上(めがみ)さん、久しぶりっ！！話を受けてくれてありがとうっ！いやぁ…君と仕事をしてから、何だか他の人だと物足りなく感じてしまうようになってさ」

今日から私が仕えるこの男性は─……
株式会社 VanDoU製作所の副社長である、
坂東(ばんどう)将臣(まさおみ)さん。

業務用の家具や別注家具の製造、販売を主な事業としている会社で…以前派遣社員として経理部の方でお世話になっていた。

その際、副社長のお手伝いをすることが何度かあったので…彼のことは良く覚えていた。

…決して自慢では無いが、学生の頃から勉強はできる方だった。暗記力も人より優れている自覚はあった。

社会に出て、自分に出来ることを率先してやってきた結果─…その働きぶりを高く評価してくれる人がいた、ということだろう。