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「どうぞ、おかけください」
副社長が旺司くんたちに座るように声をかけた。ここでお茶を出さなければ、私の存在は変に悪目立ちしてしまうだろう。
俯いて、目を合わせることなく机の上にお茶を出して立ち去れば…何とかやり過ごせるだろうか？
その後は壁の花にでもなって存在感を消して過ごせば…無事に乗り切れる？
考えたところでどうしようも無いので…目を伏せて、自然に─…
「こちら、どうぞ」
っと一言声を掛けてから旺司くんともう一人の男性の前にお茶を出し直ぐに立ち去る。
気付かれていないだろうか？っと不安に思っている私のことなど視界に入れもせず。
すぐにビジネスの話を始めた旺司くん。
とりあえず第一関門は突破した。あとはこのまま商談が終わるまで大人しく壁の花となり存在を消すことに徹底しよう。
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