再会と悲劇

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「現在、うちが受注を止めているのはご存知ですよね?待っていただいている他の企業の方も多くいらっしゃるので…特別扱いするというのは今後の信頼関係に影響がっ、」 「オープンに併せてうちは系列を含め…業界での店舗数が昨年1位となりました。今いちばん勢いがある企業はうちだって…思いません?」 副社長が何か言う度に、それをねじ伏せるほどの強い言葉で圧をかけてくる旺司くん。 ──昔から彼はそういう人だった。 高校の時は大勢の仲間とバイクで走り回っているような…そんな学生で。 彼はその中でも一番頂点に立つような人で…人望もあり大勢の人に慕われているような、本当に”王子”のような人だった。 対して私は…愛上(めがみ) 綺子(きこ)という自分の名前が恥ずかしくて、、”女神”とからかわれるのが苦手で人と目を合わすことがないように、前髪で瞳を常に隠すような陰気な学生だった。 本当に、昔から旺司くんはずっと…眩しかった。
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