三章

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✱✱✱   ✱✱✱   ✱✱✱   ✱✱✱ お披露目パーティーに参加しなかったアレルヤは自室にいた。 本来であれば星来の護衛をしなければいけないのだが、無口無表情なので分かりにくいのだが気分が悪いため、テレーゼに任せていた。 テレーゼは最高位の魔導師なので国内最強なのだ。 アレルヤは上着を脱ぎ、姿見で背中を確認した。 「……!」 アレルヤの背中全体には黒く不気味な入れ墨のようなものがあった。 これは呪術による呪いの刻印だ。 アレルヤは驚く、呪いの刻印が一部薄くなり消えかかっていた。 「………」 「アレルヤ!」 「!?」 「あ、ごめん。ドアが少し開いてたから…」 星来が現れた。 アレルヤは星来に見えないように隠し「何の用だ」と言わんばかりの顔をする。 「パーティーの御馳走持ってきたよ!甘い物好きそうだからデザート、多めに持ってきたんだ」 星来にはアレルヤが無表情ゆえ、言葉はもちろん感情や体調の変化がわからない。 「…」 アレルヤは「テーブルに置け」と指で指示を出す。 星来は部屋に入り、食べ物の皿を置いてアレルヤを見る 「背中怪我してるの?」 「……!!」 背中を見せないようにしていたのだが、鏡ごしに刻印が見えていた 「治そうか?」 「………」 アレルヤは無言のまま目を瞑り、すぐに目を開けると星来の腕を強く引っ張った
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