三章

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✱✱✱✱✱✱✱Side レイヴン ✱✱✱✱✱✱✱ クリスくらいの年齢にも読みやすい本を何冊か渡すとクリスは興味深かそうにパラパラめくっていた (ふふ。可愛いなぁ。クリスも星来が来てから少し素直になって僕たちと話してくれて仲良くなれた。星来がいてくれたおかげだね) 「兄様は星来のこと好きなんだろ。好きって言ったか!」 「…まだだよ」 「キスしたくせに?」 「あれは事故だったんだよ」 「ふーん…いつ言うんだ」 「僕は確かに星来の事が好きだけど…伝えないよ。星来を困らせたくないんだ」 「なぜ星来が困るんだ?」 「星来は泣きながら元の世界に帰りたいって言ってたんだ。不安そうにしてる子に言えないし、告白して受け入れてくれても僕は死にゆく運命だから幸せにしてあげられないからだよ。昨晩、アレルヤと抱き合ってキスしてたしもう…駄目なんだよ…」 「呪いなんか星来がなんとかしてくれる。星来が帰りたくないって泣くほど愛せばいい!アレルヤ兄様と恋人じゃないんだから奪えばいいんだ!」 「クリスは強気だね」 「当然だ。未練残して死ぬより振られてからスッキリして死ぬべきだ!星来はボクがもらうから安心していいぞ!」 (僕より10歳近く差があるのに僕よりずっと大人みたいだ) ご機嫌に帰っていったクリスを見送る (帰りたくなくなる程愛せか……)
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