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テレーゼは目を瞑り静かに語った。
「ハクローク国は数百年以上前に神が住んでいました。現在と同じように魔物たちが頻繁に現れるようなり、民が不安を訴えるようになった時、神は自身のお力を与え、代弁者である聖女を召喚しました」
「えっと…数百年以上前に私の世界からこの世界に来たんですか?神様って方はなぜ力を与えたんですか?神様なら魔物なんて簡単に倒せるんじゃないんですか?」
星来は疑問ばかりが浮かぶ。自身に関係があるかもしれないからだ。
「文献には記載がありませんのでわかりません。召喚された聖女様は神に与えられた力で魔物を鎮めただけではなく、結界を張り、民の不安を消し去ったそうです」
「当時はまだ技術や研究の発展などが乏しかったのですが、時代と共に神の力以外で聖女の召喚ができるようになりました。…今の国の状況は数百年前の時と同じだと判断し、聖女様をお呼びしたのです」
「なぜ…私なんですか…私は力ない普通の人間ですよ?」
星来は不安が過った、知らない他国の民よりも自分の不安を消してくれと。
「こちらに来る前に白い鹿を見ませんでしたか?」
「はい…」
白くて美しいメス鹿だ。
「あの鹿こそが神様なのです。神の姿を見れるのは聖女の資質があるからこそ。我々、魔導師は神の気配を察知しお呼びしました」
「神様は今はどうされているんですか?」
「我々、上位の魔導師なら神の力を察知する事はできますが、見えません。星来様なら神様の力を与えられているはずですから、今はまだ無理でもいずれわかるのではないでしょうか?」
「私に神様の力が…」
実感がないから疑わしく感じた星来
「私は何をすればいいんですか?」
「先程も伝えましたが、星来様には聖女として3つのことをお願いしたいのです」
「3つも…」
「1つ目は聖女の力で魔物を鎮めていただく事、2つ目は国民に支持を得て不安を消していただく事」
(なんか無茶ぶりな事言ってない?)
星来はもう頭が大混乱中だ
「そして最後の3つ目は…」
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