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「何か、珍しく焦ってるね。佐々木さん。」
「うん、何があったんだろ。」
二人で見ていると深瀬さんと話した後、急ぎ足で経理課を出ていった。
深瀬さんがコピー機に向かうのに合わせて隣に立っていた。
「何があったんですか」
少し話すのに悩んだのか間があった。
「…昨日新の取引先から入金があるはずだったんだけど振り込まれてなくて、朝一で確認したら契約を解消したいって言われたらしくて、その報告に朝来てた。それも今抱えてる大きな取引先だからしくじるとやばいんだよね。」
契約解除。
今回の大型案件。
「ありがとうございます。」
聞いても何もできない私が無力で仕方ない。
スマホを見ると、メッセージが入っていた。
《ごめん、今日一緒に過ごせそうにない。》
仕方ないよね。
誕生日くらいはって思ってたけどそんな我儘言って困らせたくない。
《こっちは気にせず頑張って!》
そうメッセージを送るも既読すらつかなくなっていた。
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