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「有咲、帰るの?」
終業時間が来てそう問いかけられた。
「うん、ちょっと疲れたし家で休むね。」
そう言っていつもどおりの時間に帰ってきた。
本当なら今頃ワクワクしてお化粧して待っているはずだった。
なのに、家には今一人。
悲しい、寂しい。
どれを言っても、何を言っても新くんの負担になりそうで言えない。
あんなにあった自信はとっくに無くなっていた。
結婚してこんな寂しい生活があるなんて思ってなかった。
一人の家がこんなに堪えるなんて。
ソファーの上に体育座りして蹲る。
そのまま数時間待って日付を超えても新くんは帰ってこなかった。
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