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深夜3時、玄関から音が聞こえてお出迎えに行く。
「起きてたの」
疲れ切った顔をしている新くんがこちらに向く。
「お疲れ様、大変だったね。」
そう言うと抱きつかれて背中を擦る。
また違う女の人の香水の匂いがする。
誕生日なのに一緒にいたんだ、こんな時間まで。
言いたくないことがずっと頭の中によぎる。
新くんの体を押しやって離れる。
「私先寝るから、お風呂入ってきて」
顔を逸らして言ったから新くんの表情はわからない。
今は、話したくない。
「ねぇ、こっち向いて」
「やだ、早く離れて」
離れようとするほど力が強くなって抵抗できなくなる。
「有咲、お願い」
「しつこいって!」
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