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次の日、会社に行くと契約解除の話は噂になっていた。
社長のもとに自分で話に行ってくると言って、それからは何も聞いていない。
最悪役職降ろされるんじゃないかとか噂になっていた。
𓂃𓈒𓂂𓏸
昼休み、美月とお昼を取っていると、新くんと深瀬さんが一緒に社食に来る。
久々に見た、二人でお昼なんて。
落ち着いたってこと?
新くんはこちらに気づくと笑顔で寄ってくる。
「どうだった?」
「ちゃんと報告と代替え案出してきたから大丈夫。それに無茶苦茶な要求の証拠も出したし。向こうとはこのまま切ろうって話で落ち着いてくれた」
座りながら説明をして、いい方向に転がったようで安堵する。
「社長がいい人なんだよな、ここ」
「わかります、さすが荒川さんのお父さん」
「荒川さん?」
聞いたことのない名前に私も美月も首を傾げる。
「支社の方で営業しながら経営の勉強してる社長の御子息。その人も営業天職だよ。もうすぐ本社に来るんじゃないかな」
荒川さんという方と仲が良かったのか、楽しそうに話している。
深瀬さんも認めるほどのいい人なそうで。
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