E p i s o d e .1

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 でも、上手くいくのかな……?  ううん、卑屈になっちゃダメだ……。  なんども考えて、はあ……とため息を落としていると、レジに商品が置かれたのを横目で見た。  唐揚げ弁当とポテトサラダと、シュークリームが二つ。それから白いロンTから覗く真っ白な手首に黒い模様が見えた。  仕事中にため息とか……クレーム案件……!  「おまたせいたしました、お預かりします」  お辞儀をしながら挨拶をすると「てめえ何言ってんの」と不機嫌な声が落っこちてきた。  「も、申し訳ありません」  「……あ?」  さらに不機嫌を増した声におそるおそる見上げると、常連のお客さんと一瞬視線が重なり、パッとすぐさま散らした。  携帯で誰かと話しているらしい。良かった。私宛じゃなかった。  「以上四点で、1450円になります」  すました顔でマニュアル通りの業務をこなした。  常連さんは通話中につき完全に私の独り言である。    トレイに2000円出されたのを確認するとレジの会計ボタンを押す。この人はレシートは受け取らない人なのでお釣りだけを用意し、惣菜をビニール袋に詰め込み、商品が受け取られたのを確認すると「ありがとうございました」と再度お辞儀をした。
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