彼と僕と水蒸気のみんな

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彼と僕と水蒸気のみんな

「よし!…彼のとこにたどり着いたで。では、早速確認っと…彼の睡眠状態は…脇の下コ〜ショコショ…うん!反応ナシ!よう寝とる!次に肩をモ〜ミモミ…うん!反応ナシ!よう寝とる!!そしたら、決行や!やるで〜!」 彼の枕元にそーっと立ち、僕は彼女の涙に込められたストレス…負の感情を元に怒り狂うんやーっ! 「おーっ!身体の中がメラメラメラメラ燃えてきたーっ!」 (シュッワー、シュッワー…シュワシュワー…シュッワー、シュッワー…シューッ、シューッ…) 「あぁ…身体が乾いていく…身体が軽くなっていく…これは、涙の水蒸気化成功やー!ヤッターーーッ!…って、喜んでる場合やない!彼の上に漂ってる水蒸気を集めて雨雲にしなあかん!」 僕は両手を上げて水蒸気に大きく手を振る。 「みんなー!こっちに集まってくれるー?」 すると水蒸気がゆっくりゆっくり集まって、もくもくとした雲のかたまりとなった。 「みんな集まって雲になってくれてありがとう!雲の色がストレスで黒くなっていていい感じ!ステキ!めっちゃいい雨降らしそう!」 すると褒められて嬉しかったのか?雲は縮んだり膨らんだりを繰り返すモクモク運動をしている。そんな雲を見ながら僕はつぶやく。 「よし!次は彼の夢の中を実体化しんと…と、その前にみんなにこれから何をしてほしいか説明しとかんと…ふぅ…」 僕は姿勢を正して、雲を見つめて説明を始める。 「えっと…これからみんなに何をしてほしいかの説明をします。まず僕がここで寝ている彼の夢の中をここで実体化します。実体化した夢の中に入ってもらって、彼女のストレスのこもった雨をじゃんじゃん降らしてほしいんです。その間僕は、彼女のストレスの原因を即興で作詞作曲して、歌って彼に彼女の思いの丈を伝えます。そして、いつ退散するか…それは、僕が歌い終わるか、みんなの降らす雨がなくなるか、彼が起きそう…のタイミングで退散します。退散したら僕は彼女の部屋で元の枕に戻ります。みんなは水蒸気になって空に浮かぶ雲になります」  説明を終えて、大きく息を吸って吐く。そして大きな声で伝える。 「じゃぁ、みんな…どうか宜しくお願いします!」 『わかったでー』と返事をしてくれているのか?雲は縮んだり膨らんだりを繰り返すモクモク運動をしている。 「じゃあ、これから彼の夢を実体化するのに呪文を唱えるで。唱え終わったら自動的にみんなと僕、夢の中に入いるし。入ったらあとはさっき説明した通りお願いします!じゃ、呪文唱えまーす…せーのっ。ドリドリドリーム、ムーラムラー…ドリドリドリーム…ドリドリーッ」
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