ずるいよ、先生。

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 爽やかな涼しい風が入り込んで、窓辺のカーテンがゆっくり呼吸するように膨らんではしぼんでを繰り返している。  そのカーテンの隙間から、入り込んでくる淡い日差しがぽかぽかと心地よい。  昼食後の五時間目。体の機能は食べたものを消化するために一生懸命に働き始めて、司令塔は超絶眠くなる時間。  瞼のシャッターは、閉店ガラガラ。  頭がぐらりと傾いて、ゴツン!  私は机に頭突きした。  「いてっ!」  ハッとして顔を上げると、目の前に濃紺のスラックスにワイシャツネクタイ姿の男が立っていた。  さらに恐る恐る見上げると、現国の小邑(こむら)先生が呆れ顔で私を見下ろしていた。  「相田(あいだ)、三十二ページ二行目から朗読!」  「は~い」  私は、にへら〜っと笑って、閉じたまま置かれていた教科書のページをめくった。そして「ここ?」と、三十二ページの二行目を指差して先生を見た。  先生は「はぁ~」と、深いため息を一つついてコクコクと頷いた。  クラスの皆が私と先生のやりとりを見て、クスクス笑っている。    
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