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第1話 ヒモ以外ヒモじゃないの
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「女性は自分の話を聞いてほしいという性質を持っています。ですから、女性に好かれたいなら、一にも二にも聞き上手になることです」
教壇に立つピチーチは聴衆に向かって言った。受講生はすべて男性である。なぜなら、これは男性に向けての講義だからだ。
ピチーチの職業は作家兼恋愛アドバイザー。ピチーチの他に作家はいても、恋愛アドバイザーとして働くのは彼女が世界で初めてであろう。ピチーチが恋愛アドバイザーとなったのも、彼女自身がなりたくてなったのではなく、ほんの成り行きである。幼い頃から、ピチーチは世の男性の行動にモヤモヤとさせられていた。「女性にモテたいのなら、女性の話をしっかりと聞けばいいだけなのに、多くの男性はどうしてそれができないのだろう」と。女性として生まれ、女心というものがよくわかっているからこそ、もどかしく感じていた。
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