4.父との会話

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 ルシアは、侍女たちに話を聞こうとしたが、口止めをされているらしく何も聞けなかった。   「父上、セリーナ様は何か事情がおありなのですか?」  ルシアは、父が仕事から帰ると早速質問をした。父は、上着を執事に預けながら、戸惑いの顔を見せる。 「私が、お仕えすることになったのもそれに関係があるのですか?」  父は、難しい顔をすると、執事を見た。 「食事は、少し後にしてくれるか」 「畏まりました」  父は、ルシアを見た。 「ルシア、部屋で話そう」 「はい」    父は、セリーナが誘拐された事、その際に侍女が怪我をしたこと、そして王家の名誉の為にそれらが秘密にされていた事を話した。 「最初に話さなかったのは、守秘義務があったからだ。すまなかったな」 「どうして、教えて下さったのですか」 「お前が、真の騎士になろうとしているからだ」  ルシアは、黙っていた。 「主をおもいやる気持ち、お前にはそれがある」 「父上……」 「国王陛下は、セリーナ様が元の明るさを取り戻して欲しいと、お前を話し相手に所望されたのだ。それをきっかけに、何か、セリーナ様に変化があればと、期待されての事だ」 「そうでしたか」 「セリーナ様は、少しずつ明るさを取り戻されているとかで、陛下は、いたくお喜びだ。お前は、しっかりと任務を果たしている様だな」  ルシアは、嬉しく微笑んだ。 「父上、私は、もっと騎士になります」 「うむ、お前はもう、騎士そのものだ」 「それだけでなく、そうです! 騎士を増やします! 騎士団を作るのです!」 「え?」 「男の騎士がたくさん周りにいるとセリーナ様も怯えられると思うので、女の騎士団を作るのです!」 「ん? 何を言いだすんだお前」 「一人ではダメなのです。沢山の騎士で守らないとセリーナ様は安心できないと思うのです」 「お前……」 「だから女の騎士団を作るのです! 父上、陛下にお願いして下さい!」 「う、うむう……。まあ、やってみよう。陛下がどう判断されるかは分からないが……」 「お願いします!」
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