Kの愛

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Kの愛

石倉里茉という女は、俺が出会った女の中で一番 変な女だと思う。 まず、出会った当時の里茉は心配になるほど肌が黒かったし、なんならむしろその落ち着きのなさ、ガサツさから、俺は最初 里茉の事をやたら可愛い顔つきの男だと思っていたほどだった。 兄が2人いる影響からか、男勝りなんてもんじゃなかった。もうほぼ男だ、あれは。 まあこれだけならただやんちゃなだけって感じに聞こえるだろうけど、俺がかなりの衝撃を受けたのは忘れもしない、5歳の夏の事だった。 「こーーーめーーー!!!!」 バカでかい声で俺を呼んだのは当時5歳、肌が小麦色を通り越して黒光りしている里茉だった。 呼ばれるままに振り向くと、里茉は後ろ手に何かを隠している様子だった。 「なに?」 「こうめい、りょうて だして!」 「…?」 言われるままに両手を差し出すと、里茉は満面の笑みを浮かべながら、後ろ手に隠していた袋を俺の手の上でひっくり返した。 途端、その袋の中からボトボトと落ちてきたのは夥しいほどの量の、カエルだった。
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