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別れられるかと思ったは俺のセリフなんだけど。
泣きながら抱きついてくる有咲さんに少し笑って、頭を撫でる。
「こんなに好きなのに離せるわけないでしょう。高校の時からの片思いがようやく実ったんだから」
そんなふうに話をすると「え?」と驚いた顔でこちらを見ている。
出会ってから高校の時の話はしなかった。
忘れられてるのが悔しくて、話出来なかった。
「この間、実家に行って色々精算してきたんです。親とのこと、弟とのこと。」
高校時代の有咲さんを隠し撮りした写真を、本人に見せる。
久しぶりに見たけど、この時も大人になってもずっと可愛い。
有咲さんが大きな目を見開いて例の写真を見ている。
「ね、運命だったでしょう?」
そう言って笑いかけると、うんと頷いてくれる。
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