知らない甘さ

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多くの視線にさらされて、歩き続ければつきあたりで三人の足が止まった。 校舎の、だいぶ奥。普段でも人気は少ないのに、お昼休みなんて尚更、こんなところに人はまず来ない。 だから選んだんだろう。私に容赦なく言葉をぶつける場所として。振り返って私と向き合った三人は、気味悪く笑っていた。 不敵な笑みを浮かべる彼女らも一人じゃなんにもできないくせに、と悪態をつくのは火に油を注ぐだけだから飲み込んだ。 「ありがとね?ここまで来てくれて」 真ん中の、リーダー格っぽい負けん気の強そうな女子が一歩、前に出て私に近づく。後退りしそうになるけど、逃げない。 どぎつい香水の匂いとバッチリ黒の濃いマスカラ。迫力に押されそうになるけど、耐える。 「あのさぁ……桃井さんって、神崎先輩と付き合ってるんじゃないの?」 「……先輩とは、付き合っていません」
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