ねえ、甘く溶かして

知らない甘さ

はね上げアイラインの目を見て、きちんと答える。ここでどうするのか、どう答えるのが一番相手の逆鱗に触れないか、正解はわからないけどきっと不正解ではない。

事実。先輩とは付き合っていない。もちろん、田邊とも。

「なんだ。じゃあ瑛斗とも付き合ってないとか、いうんだ？」

腕を組んで嘲笑うかのように言ったそのどぎつ女子を見て、確信する。

田邊のほうだ。

田邊もほんと……私のことタイプとかいうなら、なんでこんな私と真逆のギャルとも関係持っちゃうのよ。来るもの拒まずって、恐ろしい。

「田邊とも、付き合ってません」

「へーえ？とんだ尻軽女ね？噂どおり、誰でもいいのね」