最後

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「あかりちゃんは、どこに住んでるの?」 「あー・・えっと・・」 「フッ。ここだ。これからも仲良くしてやってくれ」 目を泳がせている私に気付いたのか、凪がスーツの内ポケットから名刺のようなものを取り出し、琴音ちゃんに手渡す。 さりげなく、私にも1枚渡してくれた。 ー・・凪も『たぬえもん』・・。 「あれ~意外と近いんだ!私はいくつか街を超えたところだよ!」 「そうなんだ!夏休みまでに、絶対また会おうよ!」 「うんうん!楽しみにしてる!あ、もう着いちゃったね。気をつけて帰ってね!また連絡する!」 琴音ちゃんの部屋の前で別れてチラリと後ろを振り返る。 「突っ立ってんな。早く入れ」 言いながら手に持っていた鍵を奪い取られ、勝手に開けられてしまった。
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