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そして、ラヴァは階段が続くお店の上階を指差して口を開いた。
「ちなみにな。すみだけじゃなくて、他にも住人がいるんだわ」
「他にも?」
「そう。あと男ふたりいる。むさ苦しくて悪いんだけど」
「そ、うなんだ……」
彼は平然と言っているけれど、これは……普通なのだろうか。
いまの言い方では、他の同居人はきっとラヴァと対等な関係ではない。つまり、わたし以外にも彼に拾われた人がいるということだ。
それも、ふたり。
ラヴァは何者なんだろう……と少し不安になりながらも、やはり彼の大きな手は温かかった。
「あ、千桐さんは住人じゃねえよ。この人はただのしがないバーテンダー」
「どこまでも絶妙に失礼な奴だなお前は」
千桐さん以外に、バーの上階にふたり住んでいるということ?
混乱しながらも、なんとかうなずく。
「まあ、そういうことだから、あいつら呼んでくる」
ちょっと待ってて、とわたしに声をかけたラヴァは、階段を上って行った。
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