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東京から高速道路を走ること二時間。景色はすっかりビルの群れから山や田んぼばかりになった。風歌は窓を開けて入り込んできた風を思い切り吸い込む。
「気持ちいい〜!」
おしゃれなお店が立ち並ぶ東京も便利で好きだが、やはり自分には緑豊かな場所が合っているような気がするなと風歌は思いながら高速を降りて下道を走っていく。
「どこに行こうかな……」
目的地を考えずにここまで来た。風歌は道端に車を停め、近くに何があるのか調べる。すると近くにハイキングを楽しめる山があることを知った。風歌はすぐにその山へと向かう。山には十五分ほどで着いた。
「ここか」
登山用の道具なども必要ないほど山は小さく、緩やかな道が続いている。風歌はゆっくりと歩き出した。大きく息を吸い込むと、土の香りが鼻腔に入り込む。
「癒される〜」
最近は執筆が忙しく、こうしてドライブすることもできなかった。心が軽くなるのを感じつつ、風歌はハイキングを楽しむ。
道端に咲いている花の種類を調べたり、木に止まっている虫を見たり、ハイキングを風歌は楽しんでいた。その時である。
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