家族になろう

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笑顔でそう言った風歌に対し、両親は酷く動揺している様子だった。都内で小説家として働いていた娘が突然犬を連れて帰って来たのだから、当然だろう。 「ど、どういうことなんだ?」 「とりあえず中に入って。夕飯を食べながら話しましょう!」 母に促され、風歌はチョビと共にリビングへと入る。リビングは風歌がこの家で暮らしていた時と何も変わっていない。テーブルの上には、風歌の好物である鯛飯や筑前煮、ほうれん草のお浸しに豆腐とわかめの味噌汁などが並び、湯気を立てていた。 「わぁ、おいしそう!いただきます!」 笑顔で手を合わせて食べる風歌を、両親は複雑そうな顔で見ていた。そのうち「もうこれで我が家は末代だね」とヒソヒソと話し出す。 「もう何なの!言いたいことあるならはっきり言って!」 苛立ちを覚えながら風歌が言うと、母が深いため息を吐きながら「独身女性が動物と家を買うとね、もう結婚できないって聞いたことないの?」と呆れたように言う。風歌は目が点になった。ご飯を食べ終えたチョビが足元に駆け寄ってくる。
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