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「俺達には三分以内にやらなくとはいけないことがあった」
そう、百年以上前の古い宇宙船、天空船と呼ばれる
半ば砂に埋もれた船からのエスケープか自爆装置の起動解除
自爆まで数分以内
「馬鹿野郎 レーブ それは自爆装置だろうが 爆発まで数分だ」
俺、ファリの悲鳴に似た叫び
「御免 フアリぃ」
のほほん、温和で時々やらかす おチョッコちよいなドジっ子
レーブは半泣きで答えたのだった。
時は少し前に戻る
其処は砂漠の惑星
青みがかかったラベンダー色の空に三つの月
赤い砂漠に
時に白い砂と砂金のグラデーションの砂漠
水晶の丘に黒い石油の泉
「砂漠の中にいる砂魚が飛び跳ねているよフアリ」
「そうだなレーブ」
「今回の目的は東で発見された大昔の宇宙船、天空船の調査か」
俺達は砂漠を移動する乗り物で移動中
少しばかり地上を浮く乗り物
エアー 空気を取り込み圧縮して放出する推進力
それに加え磁力の反発などを利用して進みゆく
レーブは砂魚に野菜少々とコケジャムのサンドイッチを
運転中の俺に差し出す
「うまいな」
「古代の地球から伝わった米のオニギリもあるよ
愛しいフアリの妹 僕のリリーシュちゃんの手製」
「俺のリリーシュだ!レーブ」
「睨まないでねフアリ くす」朗らかな笑顔のレーブの一言
「飲み物は何にするフアリ?」
「ジャスミン茶か緑茶 炭酸水も」
砂漠の砂を吹き飛しながらも
次には水晶の丘を俺達は通り過ぎる
「見えたよフアリ」
半ば埋もれた古代の宇宙船、天空船が
其処にはあった
「内部をスキャンするから待ってねフアリ」
科学者であるレーブが言う
「空気は正常、換気システムが作動
内部にモンスターはいないよ
当時の乗組員、彼等の死体はあるみたい」
「ふむ、行くかレーブ」「うん、フアリ」
調査用の服に着換え、荷物を背にして
中に俺達は入った
通常通りの調査、手順通りの調査のはずだった
が、しかし
「フアリ、その壁の装置には触らないでね」
「何?」
「自爆装置、この船は情報を調べたら
輸送商船に偽装した小型戦闘船だった」
続けて、にこやかにレーブの台詞
「敵の侵入などの想定して
情報漏洩防止で自爆装置があるんだよ」
「帰還中に宇宙の磁気嵐で墜落」
「でね、あ!」足元を滑らせレーブの手が自爆装置のスイッチを押す
カウントダウンが始まる
「この馬鹿野郎!」「ど、どうしょう」
「装置の解除か、エスケープしか無いだろうが!」
外壁にレザー銃で穴を開けて逃げるか
それとも
自爆シークエンス
時間は三分あるかないかだ!
レザー銃で穴を開け始めた俺だったが
「フアリ」「後少しだ」
「だからフアリぃ」
「開いた、逃げるぞ」「うぎや」
背中にはレザー銃 小さな通信機
そうしてレーブを最初に抱え 次には小さな箱を手にして
俺はレーブとダウンロードしたデータ入りの小型HDDを手に抱えて外に飛び出した
だが
「爆発しない」「僕が解除したよフアリ」
それは偉そうにレーブが言う
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