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初めてのドライブ
僕は運転手で
見晴らしのいい席に座る君
ベルトをしてバーを持って出発進行
足がピョコピョコ跳ねる君
いつもと違う目の高さに
君は嬉しそうで
首が忙しそうで
ゆっくり流れる景色を
つぶらな瞳が集める
どこからか優しく甘い香に
思わず足を止めて
キョロキョロする僕を
不思議そうに見る君
「あっ!」と見つけて僕は笑う
見つけたものに近づいて
橙色を見つけた君は
「にんにん!にんにん!」
僕は君に伝える
「これにんじんとちゃうねんで。
色、おんなじやねんけどな。
これな、キンモクセイってゆうねん。
君のお母さんが好きやってんで。
ちっちゃいお花もこのにおいもな…」
優しく甘い香に包まれ佇むと
君は鼻をふくらませ
沢山の香を集める
僕の心は香で溢れ
彼女の思い出を集める
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