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5.長編はマラソンだ。
もしも小説の執筆を陸上競技に例えるなら、短編が100メートル走で、長編がマラソンです。短編なら力技で何とか完結することができますが、長編の執筆はあまりに長く、過酷で、体力や根気が必要になります。しかも、マラソンと違うことは、ゴールが明確にあるわけではないので、靄のかかったエンディングにたどりつかず、エタる人が大半なのです。
しかし、ゴールを自分で決められるというのは、利点でもあります。もう無理だ長すぎる、と思えばすぱっと終わらせることができますし、逆にもっとゴールを伸ばすこともできます。マラソンでどんなに速く走っても、42.194キロメートルで倒れれば、「記録なし」となります。長編も同じように、どんなに素晴らしい内容でも、完結せず放置されれば、「エタった作品」という烙印を押されます。
私が思うのは、とりあえず内容はボロボロでも良いから、完結させることが大事だということです。陸上競技は一回こっきりですが、小説は完結した後に何度でも推敲できます。つまりは、とりあえず完結させて、あとでクオリティをあげていくことも可能なのです。
作品を完結させれば、自信が付きます。そして、次の作品も書きたいという活力にもなります。何より、あなたの読者は、あなたの作品が完結することを心待ちにしています。このエッセイが少しでも皆様の執筆の力になれば、これ以上ない幸いです。
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