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「あれ?」
『どうしたの?』
服を着た彼氏が、手を見て何かをしきりに気にしていた。私の問いかけに“いや”とか”うん?“とか、そんな曖昧な返事を返すのみで要領を得ない。
「別に何でもないよ。じゃあ、俺帰るわ。」
私の部屋から出ていき、奥さんの所へ戻っていく。
彼氏と言っても、昨日から今日までの…だけどね。
202☓年◯月◯日 30代男性/妻子持ち/AB型
マジックで書かれたシールを小さな小瓶に貼り付けて、上下に振るとカラカラと音を立てる。
『大分集まってきたなぁ。』
カーテンの引かれた先にある白い大きな棚にビッシリ、所狭しと置かれた小瓶には同じ様に日付と相手の年代等が書かれたシールが貼ってある。
その中身を見ながら彼女は嬉しそうに微笑んだ。
カラカラカラカラ……。
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