終わりに

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 真介。  入れ違いになって会うことが叶わず、何度も電話を受け取ったものの、ぼくは今回の件を恥じ、それに出ることができなかった。  きみは妹を死に至らしめたぼくのことを、決して許してはくれないだろう。だがそれでも、最後に一度きみと顔を合わせておきたかった。  ――これ以上くどくど述べても仕方ない。そろそろぼくは筆を置こう。  借りたままになってしまったものの、真理花が面白いと言った『神座町のカラクリ屋敷』を、この手記を書き始める前に読み終えた。  もし叶うのであれば、向こうで彼女と感想会をするとしよう。 弓嶋魁
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