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家に帰ると、聖がソファーに座って少し眠っていた。
こいつ、人の気も知らずにすやすや寝やがって。
そう思っても顔がいいから許せてしまう。
それと、こんなにむちゃくちゃで腹が立ってもやっぱり好きだった。
聖の隣に座って肩により掛かる。
「あんたは離れても平気かもしれないけど、私は嫌なんだよ。有咲が今日離れても変わらないって言ってくれたから決意できたけどさ。」
寝ている聖にそう呟いて、顔を見る。
「絶対、次こんな事あったら何よりも置いていきたくない存在になるから。」
そう言って頬に軽くキスをしようと顔を近づけると、聖の顔が私の方に向いて逆にキスをされてしまった。
「ん!?」
起きてたの!?
少し離れると、聖は優しい表情してた。
「ごめんな。着いてきてって素直に言えなくて。でも、美月なら来てくれるって思ってた」
そんな言葉で許せてしまう。
単純な自分がムカつく。
少し暗い私も振り回したいのに、結局振り回されて未だに追わされている。
惚れた弱みとはよく言ったものだと本当思う。
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