いち

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知り合いがいない一人ぼっちの私にそんな言葉を投げかけてくれる人なんてもちろんいない。 でも、顔も名前も何もかも知らないたまたま知った人だけど、この人に会えば私の心は満たされる気がした。 そんな人に言われたところで自分の気持ちが楽になるかなんて聞かれれば分からないけど、それでも今私が1番必要としているものなのかもしれない。 普段の私ならありえない事なのに、気づけばDMの画面に辿り着いていた。 多分今週も働き詰めで頭がバグってるんだ。 今日は運勢も最悪だったし一日中仕事漬け。 おまけに彼氏にフラれた挙句、電車は止まるしずぶ濡れ。 私にだって、慰めてもらう権利はあるよね? 相手がヤリモクだっていい、上辺だけの言葉でいいから、私の事を抱きしめて欲しい。 …………送ってしまった…。 ハッと我に返った頃には、会えるかどうかの旨を伝えた後の画面が目に入る。 …なにやってんだろ、私… 送ってしまった瞬間に後悔する。 いくら精神的に限界だったとしても裏アカ男子に助けを求めるなんてどうかしてる。 相手が見る前に取り消しができないか、色々いじっていると返信が来てしまった。 ……うわ、どうしよう… そこには、連絡してくれたお礼と今どこにいるのかや、どういう服装をしているかなどの文面が並んでいた。 先客がいるかも、なんて思っていたけど、この文面的に、会うことになってしまったんだ。この人と。 自ら連絡してしまった手前、もう無視することなんて出来ない。 断ることなんて私にはもっと無理。 とりあえず場所と服装は返信した。 した、けど…このまま見つからなければいいとも思ってしまっていた。 その時、運転再開のアナウンスが耳に入ってきた。 このタイミングで…… 私が変な気の迷いを起こさず、もう少し待っていれば帰れたのに…
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