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「あ…えと……」
「なーに?俺はおねーさんを寝かせてあげたいから続けるつもりだけど、嫌な事はしたくないから。正直に言って?」
ここまでの流れが来ておいて、私の一言のせいで雰囲気をぶち壊しているのに、それでもチルくんは優しく私に質問をする。
「〜っ………その、久しぶり、なの…こういう事するの」
「へ…?」
自分が今恥ずかしい事を言ったことを自覚しているから尚更恥ずかしいのと、それを聞いたチルくんが目を丸くさせてキョトンとした反応のせいでいたたまれない気持ちになり、思わず両手で顔を覆った。
何を言っているんだ私は…
別にそんな事わざわざ言う必要なんてなかったのに。
…言わなくたって、チルくんは絶対に優しくしてくれたはず。
何を私は寸前になって怖気付いているんだ。
「っく、ふはっ…も、何?おねーさん。可愛すぎるだけど」
……笑われてる…っ!
チルくんの笑い声で余計恥ずかしくなって変な汗まで出てきた。
「おねーさんみたいな人、俺初めて会った。本当に今日会えてよかったよ、おねーさん。
だからさ、顔…見せて?」
「……っ」
ふわりと私の手にチルくんの手が重なる。
きっと、いや絶対に真っ赤になっているであろう顔を見せたらまた笑われるから嫌なのに力が勝手に緩んでいく。
強引にこじ開けようとしているわけじゃないのに、チルくんの僅かな力で簡単に手が開かれて、ついにチルくんと目が合う。
「えー…、おねーさんさぁ…もしかしてそれ、煽ってるの?」
「えっ?ちがっ……」
「無意識ならそれはそれでタチ悪いけど…ねぇ、あんまり男の前でそんな顔しちゃ駄目だよ?」
チルくんの突然の発言に困惑しながら否定すると、困ったように笑いながら頬にキスを落とし抱きしめられた。
耳元に顔を寄せられて、不意に吐息がかかり体が反応する。
それを見たチルくんはそのまま耳元で囁いた。
「さっき俺言ったでしょ?ごほーびあげるって。だからおねーさんは何にもしなくて大丈夫。全部俺に任せて?」
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