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「っチ、チルくんごめんなさい…っ……もう一個、お願いがあるの…」 「うん、なーに?」 いい加減往生際が悪いとか思われてしまうかもしれないけど、再びチルくんにストップをかけた。 でもチルくんは相変わらず嫌な顔ひとつせずに顔を上げて優しい顔つきで私を見下ろす。 何があってもこれだけはやめて欲しい事を直前になって思い出したのだ。 「……あの…、私の事は撮らないで、欲しい…」 「とる?え、何をー?」 「チルくんの他の呟き見ちゃって…、それで女の子の動画とかアップされてたから…それだけはやめて欲しい」 あのチルくんの呟きの中に幾つかあった写真や動画の事だ。 もしチルくんが女の子と会う度に撮っているのだとしたら私も例外ではない。 たった数時間だが、チルくんが悪い人でも怖い人でもない事はこれでもかと思い知らされたのけど、これはまた別の話。 こんなものをSNSなんかにアップされた日には私の人生は終わる。 だからいつにも増して真剣に思いを伝えた。 「あぁ…あー!ハメ撮りの事?しないしない!あれ女の子に頼まれて撮って上げてるだけだから」 「え…そ、そうなの…?」 私が言いたい事にピンと来ていないのか、斜め上を見ながら考える素振りを見せた後、ようやく答えに辿り着いたように声を上げて困ったように笑って見せた。 私にはなんとも予想外な答えが返ってきた。 「うん、チルくんとエッチできたぜドヤドヤアピール?みたいな。まぁ逆にこっち側がハメ撮りSNSに上げて自分のステータスにする人もいるみたいだけど、俺は正直そう言うの興味ないし。頼まれないと撮らないよ、だってぶっちゃけ面倒くさいしね」 「あ……そうなんだ」 チルくんと話していくにつれて、あの動画は本当にチルくんが撮ったものなのだろうかと疑問に思うほど違和感があったが、ようやくカラクリが分かり何となく腑に落ちた。
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