いち

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別れたばかりの彼と何度かしたことのある行為。 その彼が私にとっての初めての彼氏であり、初めてを捧げた人。 でも、正直その行為自体は苦手だった。 気持ちいいとかもよく分からなかったし、何となく彼に合わせていただけ。 だからこんな風に乱れたことなんてなかった。 自分が自分じゃないみたいで羞恥心でいっぱいになる。 「っ、や…わたし、おかし…っ」 「おねーさん?……もしかして、初めてイったの?」 肩で息をする私をポカンと口を開けたチルくんが不思議そうに私を見下ろす。 「っ、しらな、い…」 「あはっ、そっかそっか。俺の指で初イキしたんだぁ。なんか嬉しいな〜」 私の反応に分かりやすく喜ぶチルくんは一度指を抜いて、テラテラと濡れたその指を舐めた。 「っ……」 まるで私に見せつけるように、恍惚で艶のある視線が私の瞳を捕らえる。 その行為に心臓がぎゅってなって体が疼く。 私の知らない事が次々と起こっていく事についていけない。 「俺がおねーさんを天国に連れてってあげる」 「て、てんご、く…?」 「そうだよ、だからおねーさんは怖がらずに気持ちい事だけに集中して?」 ふわりと笑うチルくんの表情は、緊張して怖気付く私を落ち着かせていく。 チルくんを見ると妙に安心して体の力が徐々に抜けていき、それがチルくんにも伝わるとより一層笑顔になり頭を撫でられた。 「いい子だね、おねーさん。そのまま俺を受け入れてて」 私を触る手は優しくて、まるで壊れものを扱うみたいに丁寧で、チルくんの表情や仕草全てに私の心と体は浄化されていく気分だった。 私の唇に触れるだけのキスを落とすと、再びチルくんの指は私のナカに入ってきた。 どうしてもある異物感に無意識に力が入るとすかさず「だいじょーぶ、痛い事も怖い事も絶対にしないよ」とチルくんが私の耳元でそう呟く。
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