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チルくんの優しい声と、激しく動く指によって私の体大きくのけ反ったのち、深くベッドに沈んだ。
また、いってしまったのか、私は。
目の前がチカチカして、呼吸も荒い。
自分自身すごく高揚している。
疲労感が押し寄せてくるのにそれと同じくらいの満足感を得ている。
こんなに気持ちいいものだったんだ。
この満たされる感覚がとても心地よかった。
肩で息をしながら呼吸を整える。
私の乱れた息遣いだけが聞こえる暗く、静かな部屋。
緊張や羞恥心がドロドロに溶かされた私は急激に瞼が重くなってきて意識がどこかふわふわとした気分に襲われる。
……あぁ、これはきっと眠いんだ。
しばらく眠気と言うものを感じなかった私が久しぶりに薬を飲まずとも寝ようとしている。
"大丈夫、俺がおねーさんを寝かせてあげる"
チルくんが言った通りだ。
こんなに心も体も満たされた事なんてない。
本当に目を閉じてしまいそう。
でも駄目、だってまだ終わりじゃ無い。
薄暗い部屋で黒い影が動くのが分かる。
チルくんの手がスルスルと下から上へ私の足をなぞる。
もう既にチルくんに対する恐怖心や嫌悪感も無い。
チルくんならいいと思った。
そう覚悟を決めたすぐ後に、私の体にフワリと温かい布団が掛かるが分かった。
「…えっ、チ、チルくん…?」
私の体に布団をかけるチルくんがいるであろう場所を凝視しながら、思わず声に出した。
「ん?どしたの、おねーさん。眠くなったでしょ?それともまだ足りなかった?」
チルくんが近づいて顔が薄らと見える。
いつものように優しい笑みを浮かべながら私の頭を撫でて首を傾げる。
まるで続きをする気配のないチルくんに動揺が隠しきれず、体を起こして操作パネルで電気を少し明るくした。
「そうじゃなくて…その…チルくんは?」
「………、え?俺?」
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