始まり

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始まり

 こんなことになるのなら、嘘なんかつくんじゃなかった。 「いま、彼女は?」 「いないよ、そんなの…」  つい、そんな風に答えた。  大学の新歓パーティー。  隣に座ったのは俺のタイプドンピシャの人だった。京香ちゃん。彼女は俺の理想通りの素敵な人だった。  エミリとのことなんか、ママゴトみたいなもんだし、お試し彼氏なんて所詮、偽物だ。  俺はこの彼女みたいな人と、本気で大人の恋がしたかった。  だから…。  言わなかった。エミリとのお試し彼氏の話し。  まさかあんなことになるなんて。その時は予想もしなかったから…。
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