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タイム・リミット
カチン。
「なんだよ?今の音は?」
「さ、さぁ?」
「二人共、あれなに?」
それは、この場所には、似合わないテーブルに置いてある赤いデジタル時計だ。
5分と、点滅しながら、秒数が動く。
残り時間、あと、4分30秒になる。
「ひっ!?触ったの!?ロープ触った!?ねぇ!?」
「触ってないです!!勝手に動いたんだ!!」
「ねぇ!?これ、爆弾じゃない!?」
「そうなら、助けないと!!なんか、切れる物、ないか!?」
「俺のナイフ使え!!よく切れるぞ!!」
ナイフを、受け取り、切りにかかる。
「………駄目、駄目よ!!乱暴に切るのやめて!!」
「良し。1本目、切れたぞ!!」
バキッ!!
「ぎゃゃあ!!」
女性の叫び声がした。
「や、やめて!!!!」
俺達は、見上げる。
その、女性の右腕が、変な方向に曲がった。
「ひっ!?」
「なんだよ!?これ!?」
「もしかして、ロープ切ったら、腕が曲がるのか!?」
お姉さんが、怒鳴り声をあげた。
「人の話しを聞いて!!!!そうよ!!正しい、切り方しないと、ロープが連動して、アタシの身体を痛めつけるの!!!!」
デジタル時計を見る。
残り3分。
「ねぇ!!逃げよう!!!!爆発まで、残り3分しかないよ!?」
「まだ、爆発するとは、限らない!!!!!!助けないと!!!!」
「でもよ?どう切ればいいんだよ!?闇雲に切ったら、お姉さんが、死ぬかも知れないぞ?見たろ!?右腕が、変な方向に、曲がったの!!」
俺達は、相談し、決断する。
「お姉さん、よく聞いてください!!正しいロープを切る手順が分からないです!!だから、お姉さんには、悪いですが、痛みに耐えてもらいながら、ロープを、ぶった切ります!!そうしないと、助からないです!!!!」
お姉さんが、泣いている。
「…………なんで、こんな目に。アタシは、今まで、正義の為に頑張っていたのに…………分かったわ!!!!アタシに、構わず、切って!!!!そして、タイム・リミット、1分過ぎたら、みんな、逃げて!!!!」
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