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よく燃えるもんだ
「はぁ、はぁ、これで、どうだ!?」
ロープは、まるで、蜘蛛の糸だ。
切っても、切っても、お姉さんは、まだ、空中で、縛られている。
そして、両手足が、折れてはいけないほど、変な方向に曲がっている。
「………………あ、あ、みんな?残り時間は?」
「駄目だ!!あと、1分30秒だ!!!!」
「お姉さん!!諦めないで!!!!生き延びよう!!!!」
「ヤバいよ!?早く、切らないと!!!!マイ達も、死んじゃう!!!!」
お姉さんが、息絶え絶えで言う。
「…………お姉さん、もう、駄目だわ………みんな?ありがとう…………早く、逃げなさい………」
1分になる。
「……おい?なんか、臭くねぇか?」
「これ、もしかして、ガソリンか!?」
「上から、垂れてるよ!!!!ほら、見てよ!!!!」
天井から、ガソリンが流れ、ロープに、染み渡り、お姉さんの身体に、染みていく。
「……………早く………逃げて!!!!お願い!!」
30秒。
「逃げるぞ!!!!!」
「お姉さん!!お姉さん!!!!」
「ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい!!!!」
サイレンが聞こえる。
「警察だ!!」
ピカッ!!
ドカンッ!!
工場が、爆発。そして、大きな炎をあげた。
凄い爆風で、俺達は、吹き飛ばされたが、助かった。
だが、お姉さんは、死んでしまった。
立ち上がる炎は、お姉さんの、痛み。悲しみ。無念さを表しているように見えた。
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