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コルテたちを、町中にある病院に送り届けた後、ソアたちはオーナーを連れて花屋に戻った。
花屋に戻るとリラが出迎えてくれた。のだが。
「え、誰?」
「誰とは酷いなあ、ぼくだよ」
「え、もしかしてオーナーですか? どうしたんですか、そんなに老け込んで」
そこでソアたちは顔を見合わせる。
「もしかして、ワカサグイの……」
「ええ、おそらくね」
ソアはまたオーナーに視線を移した。
「ところでリラ、君はこれから旅に出るそうだね。私も一緒に行ければいいんだが、体もこんなで、店を空けるわけにもいかなくてね」
「そりゃそうでしょ、おじいさんなんだから」
ソアはエノンに聞く。
「元に戻す方法はないのか?」
「あるにはあったはずだけど……」
オーナーが頷いて付け加える。
「確か、ある花の花粉で治るはずだ。それが何の花だったか、少し文献を調べる必要があるが。いずれにせよ、見つけるのは相当難しい」
「じゃあ、私が探しにいってあげます。何年かかるか分かりませんけど」
「ありがとう。君が帰るまで私はここで待っているよ。いつでも手紙を送ってくれ」
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