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昼、ソアは町中を歩いていた。仲間を集めるためだ。
コルテたちはコルテたちで新たに仲間を迎え入れる必要があったので、別行動になったのだ。
「とは言ってもなあ、酒場に行けば会えそうだけど、俺まだ未成年だしなあ。コルテたちの他に気が合って頼れる仲間なんているんだろうか」
はあ、とため息をつくソア。すると。
「お困りのようね」
「え、誰?」
上の方から声が聞こえた気がした。と思ったら急に空から緑のマントをつけた赤髪の女が降ってきた。
「ハロー」
「何だあんた!」
すると女はむすっとした顔をして言った。
「何だとはご挨拶ね。あなたの悩みを解決する方法を提供しにきたっていうのに」
「え?」
すると女はふふんと腰に手をあて、得意気に鼻を鳴らす。
「あなたパーティーから外されちゃったんでしょ?」
「な、何故それを……」
「私、情報屋なのよ。そんなことを知るのは朝パスタ前よ」
「パスタ?」
「私の今日の朝食」
「あ、そう」
何だか変な女だなあ、と思いながらソアは女を見る。
「パーティーのメンバーに困ってるのなら、私を仲間にするといいわ。あなたレベル5なんでしょ。じゃあ大丈夫」
「何故君が俺のレベルを……」
「まあまあ、細かいことは気にしないで。それより情報屋が仲間にいると何かと役に立つわよ」
「とかなんとか言って、どうせ君もパーティーから外されちゃったクチなんだろ」
ギクリという効果音が聞こえそうなほど分かりやすく肩を震わせる女。
「ふっ、まさかルールが変わるだなんてね。でもある意味ではよかったのかも。前のパーティーって頭の硬い人たちばっかりだったから、あなたくらいのほほんとしてそうな人の方が旅するにはちょうどいいかもね」
「のほほんて……」
しかし情報屋のメンバーがパーティーに加わってくれたなら、自分の探知魔法と合わせても心強い。
「ま、とにかくよろしくね」
「ああ、じゃあ、よろしく」
1人目の仲間をゲットした。
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