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「森にはモンスターがちょこちょこいるから気をつけてね」
「ちょこちょこって……」
しかし、エノンの言うとおり、森には見たこともないモンスターが木の陰から見えている。
モンスターといっても、虫の形をしているものばかりで、あまり怖そうではないが。
「どうしたリブレ、さっきから震えてるようだけど」
「うう、僕、虫苦手なんです……」
リブレが虫型のモンスターを見て顔をひきつらせていた。
「そうなのか?」
「はい、図鑑とかなら平気なんですけど、実物はにょろにょろ動くのでちょっと」
「にょろにょろ……」
エノンもリブレも表現がいちいちおかしい。
「それなら、俺とエノンで捜してくるからリブレは町に戻って待っていてよ。見つかったら知らせるから」
「そうね。大丈夫よ、私もいるんだし」
「すみません、そうします……」
リブレは森から出ていった。
「さてと、リラさんの話だとオーナーは珍しい花を見るとその場から動かないってことだったわね。珍しい花なら森の奥が怪しいわ。ただ奥に行くほどモンスターも凶暴化するだろうから、気をつけないとね」
「本当に大丈夫かな」
「情報屋の私がついてるんだから問題ないわ」
情報屋とモンスターだとモンスターの方が圧倒的に強いだろうけど、と思いながらも何も言えないソアだった。
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