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無意味な戦いを避けつつ奥へと進むソアたち。
森の最奥に続きそうな道を通ると人間の姿が見えた。見るからにおじいさんといった風貌だ。こんなところに1人でいても大丈夫なのかと思ったが、見つかったのでソアはほっとしていた。
「きっとあれがオーナーね」
「うん、意外とあっけなかったな」
ソアたちがオーナーに近づこうとすると。
「ぐうわああああ!!!!」
突然後ろから唸り声が上がる。
「な、何だ!?」
後ろを振り向くとドロドロしたモンスターがいた。大きく口を開けている。
「! ワカサグイよ! あいつの口に近づいたらダメ! 若さを吸いとられて一気に老けるわよ!」
「ええ! 何か魔法とか使えない!?」
「使えるわけないでしょ、ただのレベル1の情報屋なのに!」
何しに来たんだ、と思わず心の中で突っ込むソア。
「逃げるわよ!」
「ええ! オーナーは!?」
「大丈夫、若い人たちしか狙わないから」
「そういう問題じゃない! レベル1なんて聞いてないぞ!」
「あなただってレベル5でしょ! 大差ないじゃない!」
ソアたちは言い合いをしながら、もう1つある細い道へと向かった。ワカサグイの唸り声が響く。どんどん近づいている。
「あっ!」
ソアがこけた。
「ちょっと、大丈夫!?」
「ぐうわああああ!!!」
ワカサグイがソアに噛みつこうとした。
「ソア!」
反射的にソアは頭を抱えた。
その時、後ろから声が聞こえた。
「えーいっ!!」
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