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「ぐうわあああ!!!!」
ワカサグイの唸り声が上がる。さっきよりも大きい。痛がっているようにも聞こえる。
「あれ?」
いつまでたっても噛みつかれる気配がない。ソアは後ろを振り返った。
ワカサグイは炎に焼かれていた。
「いったい何が……」
「ソアー! 大丈夫かー?」
声の主には聞き覚えがあった。
ワカサグイの向こう側に、かつての仲間が手を振っていた。
「コルテ!?」
「オレもいるぜ!」
「ボクもいるよー」
他の2人も走ってソアに向かってくる。ソアは立ち上がって3人に駆け寄る。
「ファームにフィーンまで! どうしたんだよ、みんな!」
3人は顔を見合わせると、ふっと顔を緩め、ソアに向き直る。
「さすがにレベル5のお前を放っておけないからな」
「……みんな」
かつての仲間はやはり仲間だった。
「あらあら、感動のご対面ってわけね。……でも、どうやらそれどころじゃないみたい」
「へ?」
エノンが指をソアたちの後ろに向ける。皆が後ろを振り返ると、ワカサグイよりも大きなモンスターがソアたちに襲いかかろうとしていた。
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