金木犀の妖精

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また来た…。 夕方5時ちょうど。 大学終わりの隙間時間にバイトしてるジャンクフード店ムックに必ずこの時間になると現れる二つ結びの女の子。多分中学生くらいだと思う。 「申し訳ありませんお客様。只今当店ではスマイル0円の営業は行われておりませんのでご理解の程宜しくお願いします」 「えぇっそうなんですか!?…なぁんだ、残念…」 残念じゃねぇよ、こちとらレポートだなんだってただでさえ疲れてからバイト入ってんだから毎日毎日無償で無駄に笑顔振り撒いてられっかってんだ。注文ねぇならさっさと帰れよクソガキ。 「じゃあどうしよっかな…」 寂しそうにメニュー表を見ている名前も知らない小娘を笑顔の仮面の下で冷ややかな気持ちで見ていると「じゃあ単品で野菜ジュース下さい!」と言ってきた。 「かしこまりました。170円になります」 「はい、170円」 「ありがとうございます。ではただいまご用意いたしますので少々お待ちください」 にこやかに伝えて背を向けため息。 野菜ジュースだけ買うならコンビニかスーパーで買えよ。
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